【FCI】なんて面白い学校!FC今治高校里山校 辻校長先生にインタビュー part 4

2025年6月14日

辻校長先生

皆様こんにちは!Kanaです。

今治しまなみ通信では、「今治人」というカテゴリーをスタート。

今治で暮らす方、今治で働く方、今治出身者、今治が好きな人、とにかく今治に関係する素敵な方々を、インタビューを交えてご紹介していくという企画です。

お一人目は、県外からも注目が集まっているFC今治高校里山校の辻校長先生にお話を伺っています。今回は辻先生のインタビューPart4!

是非最後までお読みください。

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遺伝子にスイッチを入れる

自発的に学ぶ生徒の皆さん

今田「学校では服装は自由で髪の毛を染めるのもOK、でも標準服はあるそうですが、標準服はどんな時に着るのでしょうか?」

辻先生「入学式とか式典の時は基本着ようということにしているのですが、それ以外の日は全然何を着て来てもいいです。でも皆結構体操服を着てきますね。生徒たちに何でって聞いたら、この体操服はこの3年間しか着られないからと言っていました。今しかできないことだからと。」

今田「なるほど、好きな洋服はこれからもいつでも着られますもんね。体操服を着るということは確かに今しかできない!そういう考えをもう今の時点で持っているって、素敵ですね。生徒さんたちに人気の授業はありますか?」

辻先生「『野外』の授業は人気ですね。お遍路のプログラムもそうですけど、今年の冬には雪山でソロキャンプをするというプログラムがあって、生徒達も楽しみにしています。遺伝子にスイッチを入れる』という言葉を岡田さんが使っているんですけど、そういう遺伝子スイッチが入る瞬間がたくさんあるプログラムなので、結構好きな子が多い印象ですね。」

お遍路の様子

今田「遺伝子にスイッチを入れる!それすごくいいですね。私も意識したいです。先生の学校自慢は何かありますか?」

辻先生「コーチ(教員)と生徒たちがとにかくフラットで、どちらが偉いとか偉くないとか、教える側とか教えられる側とかという関係ではなくて、共に学び合う仲間だっていうのが結構徹底されています。僕のこともみんな『しょうちゃん』って呼んでいますし、岡田学園長のことは『岡ちゃん』って呼んでいます。」

今田「岡田学園長を岡ちゃん!めちゃくちゃ面白いです。(笑)」

辻先生「あとは、自分の言葉で話せる子がどんどん育っています。青森でも感じた事ですが、大人が言って欲しそうなことを言ったり、正解を当てにくるみたいなことを言う子が増えているなと思います。他の学校の子たちがどうかはわからないですが、うちの生徒たちは自分の考え、言いたいことを考えて話すというところが育っているように思います。」

今田「それができるかどうかは人格形成にも、将来にも大きく関わりそうですね。」

想定外・板挟み・修羅場からあえて遠ざけない

校内の手洗い場

辻先生「学校って失敗しない方法を教えることが多いと思うんです。僕も過去、できるだけ失敗させないように手すりつけて、補助線引いて、みたいなことをやってきました。でも今うちの学校では『想定外・板挟み・修羅場』という3つから子供たちを遠ざけない、ということをやっています。」

今田「それは興味深いですね。」

辻先生「基本的には本当に子供たちが助けてほしいと言うまでこちらは助けないし指示もしません。『こうしてほしい!』と言ってきたとしても『自分はどうしたいの?何がやれるの?』と聞きます。ひたすらそう聞き返されるので子供たちも諦めて、半年も経つと子ども達の質問がどんどん変わっていくんです。最初はこうしてほしい、ああしてほしいという不満が多かったのが、『これをこうしたいと思っていて、ここまでやったけど、ここがうまくいかないので何か策はないですか?』という質問の仕方になっていきました。」

今田「大人でもああしてほしいこうしてほしいと言うだけのクレーマーのような人が多いのに、素晴らしいですね。質問の仕方、物事を進めるに当たってのコミュニケーションのレベルがすごく上がったのですね。」

辻先生「企画書を書いてこないと相手にもされないということもわかっているので、『こうしたい、あれしたい』と言ってきても『企画書は?』と言われるので企画書を書いてきたりしますね。」

今田「それはもはや大人のやり取りですね!どんな大人になるんだろう・・・!皆さんそんなに自発的で自分の意見が言えたら、逆に生徒同士で対立することもありますか?」

辻先生「全然あります。バチバチやってますね。ディスカッションが終わらないっていう事はよくあります。そもそも命の危機に関わるようなことと物を壊したり他人を傷つける事、他人の学びや成長を妨げる事の3つ以外は何をやってもいいとしているので、ルールを決めていない分、価値観の違いとかでぶつかることは結構あります。でも全員が仲良くする必要もないと言っていますし、岡田さんは主体性と多様性を大事にすると常に言っています。そもそも人間は皆違って当たり前ですが、日本は皆一緒、というところからスタートする、皆と違うと間違いだとされることも多いですよね。ここではただ違うだけ、違いを認め合うということを大切にしています。」

今田「まさに今の時代のリーダーに必要な素質ですね。」

辻先生のお話を聞いているだけで、こんな風に見守られ、こんな高校生活を過ごした子供たちは一体どんな大人になっていくのだろうとワクワクして本当に楽しみです。

できることなら私も皆と一緒に1か月くらいFCI生として過ごしてみたいくらいです!(笑)

インタビューはPart5に続きます。

Written by 編集長 今田果奈


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